アーティスト Dieu-Mi Hoang インタビュー|北欧×ベトナムの美意識

アーティスト Dieu-Mi Hoang インタビュー|北欧×ベトナムの美意識

ベトナム出身のご両親のもとドイツで生まれ育ち、現在はデンマーク・コペンハーゲンで暮らすアーティスト、Dieu-Mi Hoang(ミー)さん。ボタニカルやポートレートを中心に、シンプルでありながら物語を感じさせる作品を生み出しています。

Project Nordとのコラボレーションが実現したミーさんに、アートとの関わり、デンマークでの暮らし、そして創作のプロセスについてお話を聞きました。

アーティスト Dieu-Mi Hoang
デンマーク在住のアーティスト、Dieu-Mi Hoang(ミー)さん

ミーさんとアートの関係

G簡単にミーさんについて教えてください。

M私はドイツのドレスデン出身ですが、両親はベトナム人です。

Gアートはミーさんの人生においてどのようなものですか?

M私とアートの関係は、ごく自然なものから始まりました。「好きだから、ただ、いつも絵を描いていた」というだけです。ポニーやプリンセス、ディズニーのキャラクターから始まり、セーラームーンにもインスピレーションを受けました(今でも大ファンです)。何時間もずっと描き続けるわけではないけれど、継続して描いている。あるとき「時間があるときはいつでも絵を描いている」ということに気づきました。大学で学士号を始めた頃から絵にますますのめり込み、それがリアルな描画への大きな一歩になりました。

G実際にアートを専攻されたのですか?

Mいいえ。ベルリンとオーフスで経営学とマーケティングを専攻しました。卒業後に少し時間ができてからアートと絵画にさらに熱中するようになりました。特にCOVID-19が広がってからは、ほかにできることがあまりなかったので、自分自身に向き合い、作品に集中できました。没頭できた時間はとても楽しく、満足のいくものでした。

Gロックダウンの間、創作のプロセスに進展はありましたか?

Mはい、もちろんです。5月からフルで活動していますが、たくさん習得するものがありました。日々いろいろなことが改善されています。今回のProject Nordとのコラボレーションも、とてもエキサイティングであると同時に、私自身の新たなチャレンジです。

G絵画やスタイルに関して、どんなものが好きですか?

M実はポートレートが一番好きでよく描きます。ただ、ここ2年ほどは静物画にフォーカスしていて、特に果物、野菜、花などのボタニカルへの興味が大きいです。クラシックアートが好きなので、「オールドマスター」の作品から自然と影響を受けています。家のデコレーションになるような作品をつくりたいと思っています。

Gポートレートにはどんな方を描いていますか?

M個人的に面白くて美しく、何か特別なものを持っていると感じた人を描くことが多いです。友人の肖像画を描いたのは1度だけで、ほとんどは想像上の顔です。最初はシンプルで無表情なものから始まりましたが、あるとき劇的に変わりました。今では感情が現れていたり、顔や体に特徴のあるものに惹かれます。ボディーランゲージはとても重要な役割を果たしています。多様な文化から得られる異なる特徴にも注目しています。

Gミーさんのポートレートが女性だけなのには理由がありますか?

M正直なところ、女性の体や顔を描くことに興味があり、そこに美しさを見出しています。男性のポートレートもありますが、投稿はしていません。女性の特徴により美しさを感じるからです。

Dieu-Mi Hoangの作品と制作風景
ボタニカルやポートレートを中心に作品を生み出しています

デザインとスタイル

Gミーさんにとって北欧のミニマリズムとはどういうものですか?

Mシンプルな北欧のデザイン、という感じです。私の作品は基本的にシンプルですが、いつもそうとは限りません。少しだけ「シンプル以上」のものがあると考えています。ミニマルなデザインとは、必要な要素だけを取り入れ、それ以外をすべて取り除くこと。見たままのシンプルなものが好きです。

Gデンマークに越してきて、スタイルやアートは変わりましたか?

M間違いなく変わりました。もともとテクニカルな性格で、細部にこだわることが好きです。オーフスでは何でも試すことに夢中でしたが、コペンハーゲンに来てからは細部に焦点を置くことがより重要になりました。コペンハーゲンの人々はスタイリッシュで、デンマーク人はデザインに対して美的意識が高い。その環境に自然と順応しました。自分自身とアートのアイデンティティを見つけるために、さまざまなことにトライすることが必要なんです。アイデンティティもアートも、成長のためのプロセスです。

Gアートワークをフルタイムの仕事にする可能性は?

Mそれはないですね。アートを趣味にとどめて、描くことの楽しさとモチベーションを保ちたいと思っています。ただ、クリエイティブであることは私の人生に必要なものです。一人で作品に向き合う時間は欠かせません。でも同時に、周りの人との接点や多様性を感じることも必要。脳を描くこと以外にも使いたいんです。

G今回のコラボレーションに踏み切った理由は?

M私はアーティストとしてのキャリアを始めたばかりでスケールが小さいので、Project Nordとコラボレーションすることで、もっと多くの人にアートを身近に感じてもらえるのではと思いました。アートは身近にあって手頃な価格であるべきで、自分のアートもそうありたいと思っています。すべてはトーベンさん(Project NordのCEO)からお話を聞いたのがきっかけです。北欧のミニマリズムやデザインについて話すうちに、すぐにコンセプトを気に入り、一緒に仕事をしたいと思いました。

Dieu-Mi Hoangのアート作品
赤とピンクが印象的なミーさんの作品たち

アート作品のプロセス

G赤とピンクの色を使うのはなぜですか?

Mまず、好きな色がピンクだからです。それから、鉛筆からシャーペンに変えたとき、違う色を試してみたのがきっかけで、赤が面白そうだと思って使ってみたら本当に嬉しい驚きがありました。マーケティングの学習から「赤色はブランディングに最適」ということも知っていたので、自然とパーソナルブランドカラーに発展しました。

G現在は鉛筆のみを使っていますか?

MProject Nordとのコレクションはすべて鉛筆ですが、インクや水彩、アクリル絵の具を使うこともあります。違うテクニックを試すのは楽しいですよ。最近のハマりものは刺繍で、今年から始めましたが、絵画にもいい影響があることがわかりました。さまざまなスタイルとの組み合わせによく合うんです。

Gアーティストとしての一日はどのようなものですか?

M目覚めてすぐ最初にすることはベトナムコーヒーを作ること。顔を洗って少し目を覚まし、コーヒーを飲みながらその日の過ごし方をプランします。To Doリストを作って、アクティビティを優先しつつ、自分自身について考える時間もとるようにしています。

G作品の制作プロセスはどうですか?

M簡単なスケッチとリサーチから始めます。Pinterestからインスピレーションを得るのが好きです。情報をまとめると、かなり速く作業が進みます。ただ、描く時間はモチベーション次第。気づかないうちに10時間描き続けることもあれば、数分おきに休憩が必要な日もあります。絵を描くことには瞑想的な要素があると思っています。

Dieu-Mi Hoangの制作風景
制作に向き合うミーさんの日常

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