北欧の作家に学ぶ自分らしい生き方

北欧の作家といえば何人も著名な方がいますが、中でもアストリッド・リンドグレーンとトーベ・ヤンソンは誰もが知っているほどの有名人。
二人とも個性的な作家でしたが、彼女達の生き方は一体どんなものだったのでしょうか?








子どもたちの幸せのために〜アストリッド・リンドグレーン〜







アストリッド・リンドグレーンとは?



現代では子どもの権利は当たり前のこととされていますが、その考えはかなり最近まで浸透していませんでした。子どもが命を脅かされずに、適切な教育や医療の支援を受けられ、有害な労働を強いられずに意見を尊重されるように決められたのが、今から約30年前のこと。しかし、それよりも前に子どもの権利を主張した女性がいました。それが北欧の著名作家、アストリッド・リンドグレーンです。

彼女の作品の数々はきっと読んだことがある人も多いはず。世界的な代表作「長くつ下のピッピ」はもちろん、日本で広く親しまれている「やかまし村の子どもたち」「名探偵カッレくん」など、どの作品の中でもリンドグレーンは生き生きとした北欧の子どもたちの姿を描いてみせました。

水辺で遊ぶ子どもたち





タイプライターを打つ手


苦労の多かった人生



2019年に日本でも公開された映画『リンドグレーン』でも触れられている通り、彼女の人生は波瀾万丈なものでした。作家やアーティストは得てして非凡な人生を歩むものですが、リンドグレーンは時代の背景と彼女が女性であったことを併せて考えると、相当な苦労をしただろうことが伺えます。19歳で不本意に妊娠するも、見知らぬ大都市ストックホルムで職を見つけ、息子を里親に預けて身を粉にして働く日々を過ごしたといいます。







子どもたちの幸せを祈って



リンドグレーンは子ども時代からおてんばで、長くつ下のピッピを連想させるようなエピソードの持ち主でした。特に女の子ながらも髪を短く切った時の、町の人々の驚きといったら!また、彼女は生涯子どもの心を持ち続け、それが彼女の作品ににじみ出ています。作中ではワクワクするような遊びが沢山紹介され、リンドグレーンが北欧の田舎で幸せな子ども時代を送ったことがよく分かります。

そんな彼女ですから、大人になってからも子どもが幸せになる権利を主張したのは当然のことと言えるでしょう。きっと息子を里親に預けざるを得なかったことへの思いもあったでしょう。リンドグレーンはとある授賞式のスピーチでも子どもへの暴力をやめるように訴え、その甲斐あって1979年、世界初の子どもを守る法律がスウェーデンにできました。

水たまりで遊ぶ子ども







ジェンダーから解放されて生きる〜トーベ・ヤンソン〜





ペンとノートとインク


ムーミンの生みの親



日本でのムーミンの知名度は本国フィンランドよりも高いと言います。それはアニメが制作されたり、毎年のようにムーミンの展覧会が開かれていたりすることからも納得の事実。それに伴い、ムーミンの生みの親であるトーベ・ヤンソンも北欧の児童作家として広く知られています。彼女の人生はいったいどんなものだったのでしょうか。

ヤンソンが育ったのはフィンランドでもごく少数派のスウェーデン語系の家庭です。フィンランドではフィンランド語とスウェーデン語が公用語とされていますが、当時、スウェーデン語を話すフィンランド人は全体の10%もいませんでした。彼女は10代の頃からイラストレーターとしてのキャリアを積み重ねていき、作家である前に画家でした。





自由に生きる



おてんば娘のイメージが強いリンドグレーンとはまた違った風に、ヤンソンは自由な生き方を追求しました。彼女の人生には男性のパートナーも女性のパートナーもいましたが、生涯のうち大半を過ごしたのはトゥーリッキ・ピエティラ​​というデザイナーでした。現在のフィンランドからは想像し難いかもしれませんが、1971年まで同性愛は違法でした。ヤンソンはそんな時代でもジェンダーに縛られずに、自分の心が導くままに人を愛しました。

トーベ・ヤンソンとトゥーリッキ・ピエティラ​​
(出典:ムーミン公式サイト)








窓辺に積まれた本



作品への影響



ヤンソンの生き方は彼女の作品にも表れてると言えます。彼女の豊かな人生に関わった人々はいくつかの登場人物のモデルになっており、トゥーリッキはもちろん、かつての恋人たちも物語に何かしらの影響をもたらしました。ムーミンの小説でのジェンダー・ロールは固定されたものに限らず、多様であるとよく評価されますが、これはヤンソンが人と向き合う時ジェンダーではなく、その人の本質に惹かれていたことに関係するのでしょう。





現在にも通じる二人の生き方







子どもたちを魅了した想像力



興味深いことにリンドグレーンとヤンソンは同時代の北欧に生きていました。さらに、二人とも作家として児童文学の「国際アンデルセン賞」を受賞しています。リンドグレーンは1958年に『さすらいの孤児ラスムス』で、ヤンソンは1966年に『たのしいムーミン一家』で。この賞は言わずもがな、デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンにちなんだもの。アンデルセンは豊かな想像力がちりばめられた童話が楽しまれていますが、リンドグレーンやヤンソンもその想像力が世界的に認められたということですね。

本を読む子ども





北欧スウェーデンの森


北欧の自然



二人の想像力の背景には北欧の豊かな自然があると言っても過言ではありません。リンドグレーンは自身の幸せな子ども時代をふんだんに作品に反映させました。彼女が育ったスウェーデンのスモーランド地方は自然がとても身近な場所です。ですから、リンドグレーンが晩年に自然や動物の保護活動に勤しむようになったのは当然の流れと言えるでしょう。

一方、ヤンソンはヘルシンキで育った都会っ子でした。とはいえ、夏を田舎のコテージでゆったりするのが北欧流の過ごし方。家族のコテージはペッリンゲ諸島にあり、ヤンソンもまた、自然を堪能して育ったのです。生涯のパートナーと出会った後はそこに小屋を建てて過ごしていました。ムーミンの世界に出てくる自然の描写はこうしたヤンソンの体験に基づいています。







サステナビリティの先駆者



SDGsやサステナビリティが話題になる現代ですが、自然を大切にして生きていた彼女たちは時代の先端を行っていたのかもしれません。北欧ならでの自然の身近さもありますが、多くを求めず、既に身の回りにある地球からの恵みを楽しんでいたのです。また、サステナビリティは何も環境保護だけではありません。リンドグレーンが生涯をかけて子ども達の幸せに奔走したのは、SDGsの「質の高い教育をみんなに」という目標につながっていますし、トーベの生き方は「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」などの目標にたどり着きます。このように彼女達の思いは現代にも通じるものなのです。

森の花に囲まれて座る子ども







北欧流の生き方をお部屋に取り入れる方法



北欧流の暮らしとひとくちに言っても、生き方は実に多様。
しかし、リンドグレーンやヤンソンの生き方をみていると「自分を大切にする」「自分にとって大事だと思ったことを信じてやりぬく」ことが鍵のように思えます。
そう考えると、北欧のエッセンスをお手軽に取り入れるには上手な息抜きがヒントになるのかもしれません。
Project Nordのポスターを活用して一息ついてみませんか?




Project Nordの北欧デザインポスター デンマークの田園風景


DANISH FIELD



平地が多いデンマークは、北欧の中でも少し雰囲気が違う自然を有しています。見渡す限りの田園風景はすっきりとしていて見る人の心を穏やかにしてくれます。

白黒のモノクロポスターであるため、飾るスペースや組み合わせる家具について悩むこともありません。ふとした時に目をやる場所に置いて、しばしの間北欧に思いを馳せてみましょう。きっとリフレッシュできますよ!





RUBJERG KNUDE



デンマークの自然のもう一つの要素は海岸。地図で見ると明らかなように、最南端のドイツに接する国境以外は全て海に面しているのです。

このポスターに描かれている灯台も、そんなデンマークの海岸沿いに建っています。優しい色合いが北欧の明るい夏を思わせ、シンプルな構図が爽やかな気分にさせてくれます。旅に出るつもりで眺めると良いかもしれません。

Project Nordの北欧デザインポスター デンマークの灯台





Project Nordの北欧デザインポスター ヒュッゲな時間


HYGGE TIME



北欧で大切な価値観といえば、デンマークの「ヒュッゲ」。ゆったりとした時間をお気に入りのものや大切な人々と共に過ごせば、暖かで幸せな「ヒュッゲ」なひとときを楽しむことができます。

幸せな時間を過ごすにはちょっとしたものがあれば大丈夫です。ついつい何度もリピートしてしまうコーヒーや、使ううちに愛着がわいたマグカップなど。そんなちょっとしたアイテムを集めたポスターは、あなたの「ヒュッゲ」な時間のお供にピッタリ。













いかがでしたか?
子どもの頃に読んだリンドグレーンやヤンソンの本を手にとってみたら、当時とは異なる視点で読めて、また違う楽しみ方ができますよ!
ぜひ北欧流ライフスタイルのヒントにしてみてください。





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