北欧の夏至のお祭り、ミッドサマー
北欧は冬がとても寒いため、夏を盛大に祝うお祭りがあります。
日照時間が一番長いとされる夏至の日(ミッドサマー)には、コテージで過ごすのが定番。
今回は夏至のお祭りと、北欧の人々がどのようにミッドサマーを過ごすのかについてご紹介します!
日照時間が一番長いとされる夏至の日(ミッドサマー)には、コテージで過ごすのが定番。
今回は夏至のお祭りと、北欧の人々がどのようにミッドサマーを過ごすのかについてご紹介します!
お祭りの背景
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日本ではゴールデンウィーク頃から初夏の気配がしてきて、梅雨が開けると夏本番が来たと感じますよね。夏至の日は例えば三重県では祝われていますが、全国的なお祭りの習慣は見られないため、なじみがないかもしれません。
とはいえ、少し前に話題になったホラー映画「ミッドサマー」の登場で、北欧の夏至祭を知るようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、実際のお祭りは映画と異なりますのでご安心を! 夏至祭の日は国によって異なりますが、今年2021年は6月24日から26日がそれに当たり、実際にはどこも前夜に盛大に祝います。 |
現代の北欧は7、8割方がルター派のキリスト教徒です。10世紀頃までは北欧のどこの国も土着の信仰が強く、それから長年をかけて改宗が行われたとされています。
ヨーロッパの他の地域ほど早くからキリスト教に触れなかったせいか、現在でも古代の信仰は形を変えて北欧の人々の生活に根付いています。例えば北欧神話の女神の一人、フレイヤの名前を女の子に付けることも良くありますし、トロルやニッセなどの妖精の人気も相変わらずです。 そして今回ご紹介するミッドサマーもまた、そんな北欧に残る古来のお祭りがキリスト教化されたものと言えます。暗い冬で家にこもっていた人々が皆、明るくなった外で過ごすことを楽しみ、ミッドサマーを祝うのです。北欧とひとくちに言えども国によって祝い方は少しずつ異なりますが、様々な風習について見ていきましょう。 |
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夏至祭の祝い方
家族と過ごすミッドサマー
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クリスマスやイースター同様、ミッドサマーは北欧で人々が家族とゆっくり過ごす時期です。多くの人々は郊外や田舎のサマーコテージまで移動するため、例年夏至祭の時期になるとお盆の帰省ラッシュのような渋滞が起こり、ニュースにもなるほど。
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日常の忙しさから離れてリラックスできるように、サマーコテージは自然の多い森の中や湖畔に建てられています。また、晴れた夏はバーベキューにぴったりなので、サマーキッチンが併設されていることもあります。わいわい言いながら家族や友人たちと肉や野菜を焼いて、食事を楽しむことが北欧の人々の楽しみなのです。
バーベキュー以外にも新鮮な空気の中での散歩、湖での魚釣りなどでアウトドアを満喫し、雨の日は室内に集まってボードゲーム。映画館やショッピングモールなどの娯楽施設がなくても充実した時を過ごすことができます。 そんな楽しい時間を過ごすために、コテージのインテリアを充実させて居心地の良い空間にすることはとても大切。伝統的なサマーコテージは木造なので、内装も木の色や質感に合わせて選びます。パッチワークのブランケットやポスター、素朴なカゴや森で摘んだ野花などがコテージ用インテリアの定番です。 |
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北欧の爽やかな夏を感じさせる、Project Nordのポスター
北欧の人々が大切にする、サマーコテージのインテリアにヒントを得て、涼しげにくつろぐのにオススメのポスターをご紹介します。
LITTLE HOME GARDEN
すずらん、ワスレナグサ、ライラックなど、可憐な夏の花たち。
余すことなく夏を味わうかのように、北欧の人々はコテージのキッチンやリビングはもちろん、トイレにまで涼しげな野花を飾ります。 このポスターは素朴な北欧の夏を連想させますね。 野花は目立つ存在ではないけれど、ふとした時に目に入ると安心感を与えてくれる存在なのです。 お部屋にそっと彩りを添えるために飾りたい一枚です。 |
DANISH COUNTRYSIDE
リラックスした時間といえばデンマークの言葉「ヒュッゲ」。
家族や友人と時間を過ごすには、せわしない都市部から自然の多い田舎に逃れるのが北欧流ライフスタイル。 このポスターに描かれたようなのどかな景色を見ていたら悩みも忘れてしまいそうですよね。 シンプルな線の太さや濃淡の違いで表現された、爽やかな北欧の自然。 お部屋に飾って新鮮な風を感じてみましょう。 |
LA MER
森の新緑も目に心地よいですが、海や湖などの水辺もまた、違った爽やかさを与えてくれます。
穏やかな海の波の動きはや波音はハンモックでのお昼寝のお供に良さそうです。 いつもは忙しい日常でも、たまには水面をぼーっと眺めて心を休ませてあげましょう。 このポスターは色の種類が少なく、グラデーションで水のきらめきを表現する、落ち着いた印象の一枚です。 お部屋で眺めながら北欧の涼しい夏を感じてみませんか? |
おまじない
北欧のミッドサマーといえばおまじない。科学的な進歩で世の中の不思議が次々と解明されていく現代でもなお、残っている昔からの伝統があります。
例えばミッドサマーと焚き火は切っても切り離せないのですが、この伝統の根本には悪魔を追い払うおまじないがあったと言います。多くの北欧諸国ではそういったおまじないの要素が薄くなり、形式として焚き火のみが残っていますが、デンマークには今でも魔女の人形を焚き火で焼いて追い払う儀式があります。 ロマンチックな恋のおまじないもあります。夏至の前夜に独身女性が7種類の花を摘んで枕の下に置くと、将来のパートナーの夢が見られると言われています。現代と違って昔はSNSやお見合いアプリが無かったので、夏至祭が人々の出会いの場だったのでしょう。他のおまじないも知りたい方はVisit Finlandの記事「白夜の魔法」を読んでみてください。 |
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身を清める
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北欧のどこよりもサウナ好きが多いフィンランド。伝統的な薪ストーブのサウナに入るには薪を割るところから始まりますが、最近は簡単に使える電気ストーブのものが主流です。
リラックスしたいと思った時がサウナの準備時です。ちょうど良い温度になったら、水が入ったバケツとひしゃくを持っていざ室内へ。リラックスできることが一番大切なので、温度や出入りの回数はお好みで大丈夫!ちなみにフィンランドでサウナは元々神聖な場所だったため、トントゥと呼ばれる妖精がいると言われています。妖精が見守るサウナはミッドサマーを過ごすのにぴったりの場所なのです。 夏至祭に身を清めることは焚き火で悪魔を追い払うことに通じていると言えるでしょう。他にも夏至祭前夜に湖で身を清める習慣がある地域もあり、こういった考えはミッドサマーが洗礼者ヨハネと重なることも関係していそうです。 |
ミッドサマーに関連する主な風習をご紹介しましたが、いかがでしたか?
キリスト教時代前から残る伝統が形を変えて今も残り、北欧ではクリスマスと同じくらい重要なミッドサマー。
もし機会があれば、実際に北欧で神秘的で爽やかな夏を体験してみてくださいね!
キリスト教時代前から残る伝統が形を変えて今も残り、北欧ではクリスマスと同じくらい重要なミッドサマー。
もし機会があれば、実際に北欧で神秘的で爽やかな夏を体験してみてくださいね!
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