モノを大切に使う北欧流の暮らし|リサイクルとリユースの文化
サステナブルな暮らしは、大きな決意ではなく、できることをできるときに続けることがコツ。気合を入れてすべてをやろうとすると息切れしてしまい、それこそ「持続可能」でなくなってしまいます。
北欧の人々が日々実践しているのは、まさにそんな無理のないサステナブルな習慣。今回は、モノを大切に使う北欧の暮らし方をご紹介します。
北欧のペットボトルリサイクル
北欧諸国ではペットボトルを購入する際、デポジット額を含んだ金額を支払います。空のボトルを返却するとお金が戻ってくるこの仕組みは、高い回収率とリサイクル率を促すために導入されたもの。「返せばお金が戻る」というシンプルなインセンティブが、人々のリサイクル習慣を自然に後押ししています。
北欧諸国のペットボトル回収率は90%を超え、リサイクル率も85〜92%。EU全体のリサイクル率が約40%であることを考えると、かなり高い水準です。多くの人がペットボトルを家に溜めておき、スーパーマーケットに併設されたリサイクル機械に返しに行きます。機械にボトルを入れるとバーコード付きのレシートが発行され、そのまま買い物の割引に使える仕組みです。
持続可能なインテリアの選び方
北欧の人々がインテリアを揃えるとき、新しいものを買う前にまず考えるのが「中古品でまかなえないか」ということ。IKEAのような専門店で新品を選ぶことももちろんありますが、中古品を少しずつ取り入れながらお部屋をつくっていくのも同じくらい一般的です。新品を購入する際も、素材がリサイクル可能かどうかに注目し、持続可能性を重視した選択をする人が増えています。
Shadow of the Moon
Project Nordのポスターも持続可能性を大切にしています。FSC認証紙を使用し、水性・無溶剤・無臭のインクで印刷。ポスター1枚につき1本の苗木を植樹するTree Nationの活動にも参加しています。
北欧で大活躍のリサイクルショップ
北欧を訪れると、古着や中古家具、アクセサリーにおもちゃまで何でも揃うリサイクルショップやフリーマーケットの多さに驚きます。北欧の人々は20%を超える消費税を納め、生活費が高いことから、簡単には新品への買い替えをしない傾向があります。
デンマークではリサイクルショップは「Genbrug」の看板が目印。フィンランドの「UFF」は国内各所に服のリサイクルボックスを設置し、回収した古着や中古品を店舗で安く販売したり、国外に寄付したりしています。
こうしたリサイクル活動はオンラインでも盛んです。フィンランドの中古品サイトTori.fiですべての家具を揃えたオフィスもありますし、ノルウェーのFinn.noは国民の96%が知っているほどの存在感を誇っています。
修理して使う、譲り合う暮らし
モノが壊れたとき、まずは自分で直してみるのも北欧の人々に多い考え方です。修理に必要な道具がなければ、ご近所さんや友人から借りて直すことも。スウェーデンでは政府がこの考えを後押しし、修理サービスにかかる消費税を低く設定しています。
家族から代々受け継いだものを大切に使っている人も多く、「断捨離」よりも「今すでに持っているモノを大切に使う」考え方が広く浸透しています。何かを捨てる前には友人に必要ないかを確認したり、買う前にまず知り合いに相談したり。近しい間柄のなかでのリサイクルとも言える、温かな習慣です。
サステナブルな素材の研究
モノを大切にする考え方は、リサイクルだけでなく新たにモノをつくり出す場面にも活かされています。新しいサステナブル素材の開発やそれを活用した商品づくりは近年急増しており、関連する北欧スタートアップの成長も目立っています。
たとえば再生セルロース繊維。植物から取り出した繊維を加工して糸にしたもので、レーヨンやリヨセルなどが知られていますが、より効率的に分解できる素材への研究は常に続けられています。フィンランドのパルプメーカーMetsä Groupと日本の伊藤忠商事が協力し、ファッション業界向けのサステナブル素材の開発に取り組んでいる事例もあります。






