北欧デザインとは?5つの特徴と人気の秘密、代表的なブランドをご紹介

北欧デザインとは?5つの特徴と人気の秘密、代表的なブランドをご紹介

北欧デザインとは、デンマークスウェーデンフィンランドノルウェーなどの北欧諸国から発信されたデザインを指します。モダンであたたかな雰囲気がある北欧デザインは、数年前に日本でもブームとなり、現在もインテリアや雑貨などが多くの人から支持されています。

北欧デザインとは?

北欧デザインが生まれた背景には、北欧独自のライフスタイルが関係していると言われています。緯度の高い北欧の地域は、夏は短く冬はとても長いのが特徴。特に真冬は、午後3時には夜のように暗闇に包まれてしまうのです。厳しい自然環境の中で暮らすこの地域の人々は、自然と家の中で過ごす時間が多くなります。

そんな環境でいかに楽しく過ごすのか…という観点から、人々はシンプルで飽きのこない家具や生活の道具を取り揃え、家の中があたかかく快適になるように工夫を凝らしてきました。そのため、北欧デザインには家の中の暮らしを豊かにするための工夫が詰まっているのです。

北欧デザインの特徴とは?

1 自然をモチーフに

特徴のひとつとして挙げられるのが、自然美を活かしたモチーフ使い。北欧の職人による丁寧な手仕事によって、自然素材のモチーフを活かしつつも機能性や耐久性をに優れた北欧デザインが発展していったのです。


特に生活雑貨は自然の素材や、動物や植物のモチーフが多く使われており、湖や森などの自然に囲まれた風土を持ち、自然と共存してきた北欧ならではの優しさにあふれています。機能的でありながらも、どこかほっこりと安らぎを感じる北欧デザインは、ナチュラルなインテリアでお部屋をまとめたい人におすすめです。

これらの自然をモチーフにしたデザインは、現代の忙しい生活の中で、私たちにリラックスする時間と空間を提供してくれます。森や湖、動物や植物のモチーフは、穏やかで心地よい雰囲気を生み出し、私たちを自然の中にいるかのような感覚に浸らせてくれます。また、これらのデザインは環境にやさしく、持続可能な生活をサポートするため、環境保護にも一役買っています。北欧デザインの自然モチーフを取り入れることで、お部屋に心地よさと持続可能性をもたらし、日常生活に豊かさと安らぎを加えることができます。

2 シンプルなデザイン構成と色使い

デザインがシンプルなのも北欧デザインの一つ大きな特徴です。シンプルな線や曲線によって構成されることが多く、模様の種類も少なくなっており、一つの模様をパターンにして配置することも。

また、北欧はミニマルデザインも大切にしています。必要最低限のデザイン要素だけを残し、ほとんど幾何学模様のみの模様にまで削ぎ落とすことも。そのため色使いもシンプルになります。北欧デザインでは、多くの色を使用しない傾向があり、数色のみでシンプルに構成されます。

このシンプルなデザインの美学は日本の伝統文化や工芸にも繋がるものがあります。日本のわび・さびに見られる慎ましく質素な暮らしも、北欧の人たちが好むシンプルで上質で使いやすいものを長く使う暮らしと似ているところがあるのかもしれません。


3 優しい色使い

北欧デザインの多くは、優しい色合いが使われます。緑、赤、黄色なども、アースカラーのような落ち着いたナチュラルなトーンにしたり、少しグレーを加えたスモーキーなカラーにして扱われます。この色づかいが、シンプルでナチュラルなデザインをさらに独自のものにしてくれます。こういった落ち着いた色は、和やかな雰囲気を演出してくれるだけでなく部屋全体の雰囲気や他のインテリアと優しく調和してくれるため、日本の暮らしにも取り入れやすくなっています。

また、これらの優しい色使いは、人々の精神的な安定にも寄与しています。北欧の冬は長く、日照時間が短いため、室内の環境が人々の気分に大きく影響すると考えられています。だからこそ、自然の元素や柔らかな色を取り入れることで、暖かく落ち着いた空間を作り上げる工夫がなされています。優しいグリーンは自然を感じさせ、スモーキーな赤や黄色は温かみを感じさせます。これらの色を取り入れることで、どんな空間でもリラックスできる居心地の良い場所に変えることができます。

4 温かみを感じる木製家具

<北欧家具は温かみを感じる木製のものが多くなっています。北欧は国土面積のうち、森林面積の割合が高い国々。そういった理由もあり、木材を用いた家具が多くなっています。木の素材を知り抜いた職人の技術を受け継ぎ、使いやすく温かみのある家具を生み出しているのです。

こういったところも日本と共通しており、日本の木造建築と北欧家具は相性が良いのです。温かみのある家具たちは主張しすぎず控えめで、自然や私たちの日常との共存を叶えてくれます。

さらに、木製家具は室内空間に自然なテクスチャーと深みをもたらし、視覚的な美しさと触れた時の感触が魅力です。北欧の木製家具はシンプルなデザインが多く、その純粋さが空間を洗練されたものにしてくれます。また、木は時間とともに味わい深くなり、長く使うほどに家具に愛着が湧いてきます。これが、北欧デザインの木製家具が世界中で愛される理由の一部です。日本の家でも、これらの木製家具を取り入れることで、暮らしに優雅さと心地良さをプラスすることができます。


5 長く愛されるデザイン

北欧では、歴史ある古い建物の価値が高かったり、食器や家具をから子へ受け継ぐ習慣もあることから、長年に渡って使い続けられるものが好まれます。良い使い心地のものを選ぶことで、暮らしを豊かにしていくのです。そのため、シンプルで実用性のあるデザインのものが多く見られます。

特に、木のような素材は経年変化と共に美しさを増していきます。北欧デザインによく使われる素材は、長年にわたり物を大切に使うライフスタイルにぴったりなのです。


これらのことから、北欧デザインと豊かな暮らしは密接に関わり合っているということがわかります。自然の素材を取り入れつつ、長く心地よく使い続けられることこそが、北欧デザインの秘訣かもしれません。
ここからは、具体的な北欧デザインブランドを紹介していきます。

 

デザイン家具

 

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)

フリッツ・ハンセンは1872年にデンマークで創業し、時代に左右されることのないデザインを表現している北欧を代表する家具メーカーです。一流デザイナーとコラボレーションし、「セブンチェア」や「エッグチェア」「スワンチェア」など数多くの名作を生み出しています。


美しさと品質、そして高い職人の技術がひとつになった家具の数々は、デザインとアートの境界線を曖昧にする、実用的でありながらもアーティスティックなものに仕上がっています。その背景には「たった1つの家具が部屋や建物全体を美しくすることができ、その空間で過ごす人々の幸せを高める」という信念があります。


Carl Hansen & Son(カール・ハンセン&サン)


カール・ハンセン&サンは1908年、家具職人カール・ハンセンが自身の小さな工房をデンマーク、オーデンセに開設した時に始まりました。職人との信頼関係に基づくクラフトマンシップへのこだわりと、新しいデザインを追求するそのスタンスによって現在でも北欧家具のファンから熱い支持を受けています。特に、1950年にデザイナーであるハンス・J・ウェグナーと発表した「Yチェア」は、世界で愛され続けている不朽の名作です。


また、日本の建築家である安藤忠雄、オーストリアのデザイナートリオ・イーオスらと国境を越えたコラボレーションにもチャレンジしています。



Artek(アルテック)

アルテックはフィンランドのヘルシンキで1935年に立ち上がったブランドです。「アート(芸術)」と「テクノロジー(技術)」というキーワードをかけ合わせた造語を社名にしたアルテックは「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を理念としています。


アルテックの代表作である「スツール 60」にも見られるような木材の美しい曲線が特徴的な家具の数々は、彼らが無垢材を柔らかく曲げる技術を新たに開発したことによって実現しています。

食器

ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)

ロイヤルコペンハーゲンは、1775年にデンマーク王室のジュリアン・マリー皇太后の保護のもとに開窯しました。白い磁器に熟練のペインターによってハンドペイントされるブルーの柄「ブルーフルーテッド」が特徴で、その繊細な美しさは世界中で多くの人々に愛されています。


また、1908年から制作され続けている続くイヤープレートは、デンマークの美しい冬景色など、北欧らしいモチーフをデザインに溢れています。結婚式の贈り物など、華やかなシーンで活躍してくれる食器が多数あります。



イッタラ(iittala)

フィンランド・イッタラ村の小さなガラス工場から始まったこのブランドは、個性的なデザインでありつつも生活に溶け込み、使いやすい商品を数多く産み出しています。一切の装飾をなくしたシンプルな「ティーマ」シリーズや、カラフルなストライプが特徴的な「オリゴ」シリーズなどが代表的です。


イッタラが目指すものは、毎日の生活に楽しみと喜びをもたらす美しさと機能性を併せ持っていること。そして、現代においても飽きることのない良質なデザインに価値を置いています。高いクオリティを追求したプロダクトは時代遅れになることは決してないという考えのもと、様々なキッチンアイテムを作り続けているのです。

ロールストランド(Rorstrand)

ロールストランドは、1726年にスウェーデンのストックホルムにあるロールストランド城で開窯されました。スウェーデン王室御用達の窯として、欧州では2番目に古い歴史を持つメーカーです。美しい装飾と高い品質の磁器は、ノーベル賞の授賞式後の晩餐会でも使用されるほど。


中でも最も有名なのが、「モナミ」シリーズ。モナミはフランス語で友人や恋人を意味し、美しいブルーの花が描かれています。ロールストランドの製品は“カジュアルスタイル”、“クラシックスタイル”の2つに分けることができますが、カジュアルスタイルラインの商品は王室御用達らしい上品さを保ちながらも気取らないデザインで生活に取り入れやすく、世界中で愛用されています。



アラビア(ARABIA)

アラビアは1873年にフィンランドのヘルシンキ郊外「アラビア」地区で創業した窯です。モダンで機能性の高いデザインの数々は、時代を超えて長く使える、世代から世代へと受け継ぐことができるテーブルウェアとして定評があります。


アラビアの代表的なシリーズが、フルーツや花のモチーフが華やかに描かれた「パラティッシュ」シリーズ。1969年にデザインされ一時生産停止したものの、その人気から1988年から再び生産が再開されました。また、北欧雑貨が置かれているお店に行けば必ず1度は見かけたことがあるであろう「ムーミン」シリーズもアラビアの商品となっています。

雑貨&ファブリック

マリメッコ(Marimekko)

マリメッコは、1951年に創業したのフィンランドのファブリックブランド。marimekkoとは「小さなマリーのドレス」という意味で、自然や動物からインスピレーションを受けたデザインを得意としています。

設立当初からマリメッコが目指すものは、時代に流されることのない機能的でわかりやすいデザインです。 マリメッコの大切な考え方のひとつにある「誰がために振る舞うのではなく、自分らしく」というビジョンのとおり、大胆なプリントや色使いを通じて、人々を勇気付け、日々の生活を美しく彩るプロダクトづくりを目指しているブランドです。

リサ・ラーソン(LISA LARSON)

リサ・ラーソンは、スウェーデン生まれの女性デザイナー。スウェーデン最大級の陶芸製作会社グスタフスベリ(Gustavsberg)社に入社し、 動物シリーズなど数多くの作品を発表。スウェーデンを代表する陶芸デザイナーとして人気を集めてきました。

彼女の代表作として挙げられるのは紅白のしま模様につり上がった目が特徴的な猫のマイキーや、大きな鼻が特徴でゆるい表情が魅力的なライオンなど。どの動物も思わず笑顔になってしまうような可愛らしい雑貨です。彼女の作り出すあたたかく、コケティッシュな生き物たちは、部屋を明るい雰囲気にしてくれます。

では、ノルディック・デザインの本質とは何か?

北欧デザインと聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?自然やシンプルなデザイン、明るい色使いなど、北欧デザインとはシンプルでありながらも個性的なものが多く、心地よさと機能性を兼ね備えていることが特徴となります。北欧デザイン 特徴の一つには、自然の要素がよく反映されています。北欧柄 デザインでは、枝や葉、動物などのモチーフがよく使われ、手触りの良い素材と組み合わせられることが多いです。

スウェーデン デザインを始めとする北欧デザインは、シンプルながらも美しさがあり、北欧 特徴でもある機能性を重視しています。これが「北欧雑貨とは」の基本的な要素であり、日本でも人気があります。また、北欧風柄とはモダンで洗練されたデザインの中にも、人々の暮らしを彩る温かみや自然への敬意が感じられます。これらを見ることで、北欧柄とは自然と調和し、日常生活を豊かにするデザインであることがわかります。シンプルだけど心地よい、そんな北欧デザインを是非あなたの生活に取り入れてみてください。

今回は北欧デザインの特徴と、代表的なブランドをご紹介してきました。どのブランドの理念・プロダクトにも北欧らしい美意識と機能性を求める精神が宿っています。ぜひ北欧のプロダクトを生活に取り入れてみてください。